ビットサミット2017-新川宗平(株式会社日本一ソフトウェア)&林克彦(週刊ファミ通 編集長)&溝上 侑(夜廻・深夜廻ディレクター)3者講談内容|まとめ

ビットサミット(BitSummit) 2017にて講演された新川宗平さん(株式会社日本一ソフトフェア)&林克彦さん(週刊ファミ通 編集長)&溝上侑さん(夜廻・深夜廻ディレクター)3者講演内容を紹介します。なぜBitsummitに日本一ソフトウェアが出展したのかについてや日本一インディスピリッツについて語られていました。

講演内容紹介

「コンシューマで活躍しているイメージの強い日本一ソフトウェアが、なぜ今回Bitsummitに出展したのか」という話題から始まり、夜廻の制作秘話、社内プロジェクトである日本一インディスピリッツについての質問があった。
また、講演終了後には代表取締役社長の新川氏に直接お話をお伺いすることができたので、講演の内容と合わせて紹介させていただこう。

日本一ソフトウェア出展ブースの様子はこちら

なぜ日本一ソフトウェアが今回Bitsummitに出展したのか

新川宗平_BitSummit
なんともキュートなプリニーの帽子を被って登場した新川氏は、「以前から何度かBitsummitには見学に来ていた。そのたびに大きな熱量を感じ、日本一ソフトウェアとしてもインディに関わることが増えた。」と語った。
コンシューマにおけるメジャータイトルのイメージが強い日本一ソフトウェアだが、インディ的な取り組みもしているのだ。

同社の名を一躍轟かせる要因ともなった『ディスガイア』は当初10人程度で制作されており、当人たちにはインディ魂があふれていたとのこと。
その苦労した経験から、部署や部門の垣根を超えて、社内に眠っている才能やアイディアを引き出すという社内プロジェクト「日本一企画祭」が始まっている。

『夜廻』と日本一企画祭

日本一ソフトウェア_BitSummit
今年で5年目となる日本一企画祭は、社内でゲームの企画を考え、提出し、リリースするというプロジェクト。
これまでも『htoL#NiQ-ホタルノニッキ-』などが本プロジェクトによって制作されており、今回の出展作品である『夜廻』も日本一企画祭から生まれたものだ。

『夜廻』ディレクターの溝上氏は、『htoL#NiQ-ホタルノニッキ-』開発時にデザイナーとしてグラフィックスやアニメーションを担当していた。
「私も自分の考えたゲームを出したいと感じ『夜廻』が生まれた」と制作秘話を語った溝上さん。
「自分のゲームを作るということに憧れた」「やっぱり自分のアイディアがゲームになるのはうれしい」という想いには、確かなインディ魂を感じられる。
最近では日本一企画祭を志望動機に挙げる就活生も多いのだとか。

溝上侑_BitSummit
続いて「『夜廻』でお気に入りのシーンは?」と質問された溝上さんは、「チュートリアル。思いもよらないイベントが待ち構えている。」と応えた。
(筆者もこのシーンはよく覚えているが、『夜廻』がユーザーに投げかける趣旨をイッパツで理解させられた)
さらに、気になる新作『深夜廻』について、「前作より怖いか」と問われた際に「いろいろなギミックを詰め込み、さまざまな種類の怖さを用意している。」とステキな笑顔の溝上氏。
新川氏も「社内でテストプレイを行なっているんですが、すごく評判がいいんですね。鬼のように厳しい課長がいるんですけど、大絶賛してます」と期待を煽る興味深い話をしてくれた。

「日本一 Indie Spirits」について

さらに日本一ソフトウェアでは、「日本一 Indie Spirits」というプロジェクトも進められている。
海外で高い評価を受けているにも関わらず、国内では配信されていないタイトルを、国内向けにパブリッシングするというプロジェクトだ。
去年12月に発表し、2月に『ニーズヘッグ』など3タイトルを配信、第4弾の『The Sexy Brutale』も発表されている。
以前より海外クリエイターからパブリッシングの要望があり、新川氏自身の「こんなにおもしろいのに、国内配信されないのはもったいない」という想いもあって立ち上げられている。

しかし、広がり続けるインディシーンにおいて、独力でのタイトル選定はやはり大変だと明かす新川氏。
「さまざまな協力があってパブリッシングできている。」と語りつつも、「優良なタイトルを探すのもビットサミットに参加する理由の1つ。」というのだから、その情熱は本物だ。
「ほかのゲーム会社が取り扱っているような大きなタイトルではなく、”小粒なのにおもいしろいタイトル“のパブリッシングを手伝いたい。」と胸の内を明かしてくれた。
一方で日本国内のタイトルについても、海外系列会社である「NISアメリカ(日本一アメリカ支部)」を通してパブリッシングする取り組みが行われている。

素晴らしい作品を制作できるクリエイターだからといって、その作品を世に届けることができるとは限らないのがインディシーンの課題でもある。
「販路の選択肢の1つとして日本一ソフトウェアがある。」という言葉には、作品とユーザーをつなぐ架け橋になろうとする新川氏の熱い想いが込められているのではないだろうか。

ステージの最後には、溝上氏が「前作よりも怖い思いができるのでぜひ夏の夜の怖い思い出を作ってください。」と『深夜廻』について語り、新川氏は「日本一ソフトウェアはインディに積極的に関わっていきます。」と意思表明をして登壇を終えた。

登壇後インタビュー

登壇後、日本一ソフトウェアのブースにて新川氏にお会いし、お話を伺うことが叶った。
業界の最前線で活躍しているクリエイターや、プロデューサーの方々と直接コミュニケーションできるのもBitSummitの大きな魅力である。
「日本一 Indie Spirits」担当責任者の方とともにインタビューにも応じていただけたので、以下でご紹介しよう。

– ステージでは「日本一 Indie Spirits」について話されていましたが、ゲームをローカライズする上で重要な点や、注意している点はどのようなものでしょうか。

やはり言語の翻訳が難しいです。
ゲームはいいのに、翻訳でダメになることもあるし、何度もやり直してリリースが遅れてしまうこともあります。
正しいニュアンスで翻訳するためには、当然ゲームをしっかりとプレイして理解する必要があり、タイトルの評価を下げないためにも慎重になる部分です。
特に韻の翻訳が難しいですね。韻を踏んだダジャレなどは現地の言語あってのものなので。

– たしかに、そのゲーム特有の微妙なニュアンスってありますよね。翻訳の課題を解消するために、どのような方法がありますか。

やっぱり、現地の人に聞くのが1番です!

– 「日本一 Indie Spirits」のように、インディシーンで活躍するクリエイターや作品を世に送り出すという取り組みに対して、メディアはどのように関われるでしょうか。

それこそ、「日本一 Indie Spirits」でパブリッシングをやっていますと言っていただければ!
日本とアジアを繋いだり、アメリカとヨーロッパを繋いだりと、さまざまなローカライズに対応できるので、「困ったら日本一に!」という感じで(笑)

– すでに海外タイトルを国内向けに配信されていますが、国内タイトルを海外に発信する予定はありますか。

大きなタイトルはほかの企業さんからパブリッシングされたりしていますよね。
日本一ソフトウェアは他社と競争するつもりではなく、大きなタイトルはお任せしようと考えています。
おもしろいのに目立っていない、小粒なタイトルを取り扱っていきたいですね。
もちろん、デベロッパーさんから声がかかればやることもありますが、今は指名してやっています。

– 最後に、これからゲームを開発しようとしている人に向けて、何かメッセージやアドバイスなどいただけますか。

インディとコンシューマはどんどん境目がなくなってきています。
クオリティも少人数規模で作っているとは思えないものがあったり、コンシューマで活躍しているメーカーがインディでタイトルをリリースすることも増えました。

では、どこが違うかというと、インディはクリエイターが「好きで作っている」ということです。
メーカーからアドバイスというものは特になく、「好きなようにやってくれ」というのが一番ですね。
開発では好きなものを作って、商売の部分では「日本一ソフトウェア」を頼っていただければ!

現在はオンラインなどを利用することで、クリエイターが手軽に配信することもできます。
しかしパッケージで出すとなると、さまざまな苦労があると思います。
その時は「日本一」の出番です! 特に国外へのパッケージ販売はお任せください!

インディはコミュニティが重要です。
口コミで認知されてい盛り上がっていきます。
自分たちもユーザーの感想を拾っていきたいと考えていて、コミュニティマネジメントという部分でも関わっていきたいです。


お忙しいところ、取材に応じていただいてありがとうございました!

また、新川氏自らが会場で広報活動を行っていたイベント「ぜんため」についてご紹介させていただこう。

ぜんため
出典:http://zentame.com/

全国エンタメまつり(ぜんため)

【開催日時】 2017年8月5日(土) ~ 6日(日)
【開催場所】 岐阜県岐阜市柳ヶ瀬商店街およびその周辺
【アクセス】 JR岐阜駅及び名鉄岐阜駅よりすぐ
【公式Twitter】 https://twitter.com/zentame_info
主催 全国エンタメまつり実行委員会
(「宇宙と大地プロジェクト」実行委員会、ヒラタ産業)
共催(敬称略) ソニー・インタラクティブエンタテインメント
協力 柳ヶ瀬まちづくり会社
後援 岐阜柳ヶ瀬商店街振興組合連合会・岐阜市中心市街地回遊性協議会
出展企業
(五十音順・敬称略)
アークシステムワークス / アトラス / クローバーラボ / シルバースタージャパン
セガゲームス / ソニー・インタラクティブエンタテインメント
日本一ソフトウェア / ハムスター / ブロッコリー

岐阜駅の柳ヶ瀬商店街、およびその周辺一帯が巨大なイベント会場そのものとなり、ゲームをはじめとするポップカルチャーを思う存分体験することができるイベント。
出展メーカー各社によるゲーム大会や、物販、ライブ、著名クリエイターによるサイン会、トークショーなどが予定されている。
インディーゲームエリアもあり、現在公式サイトにてブース出展者を募集しているため、デベロッパーの皆さまは要チェックだ。

また、8月5日には、同会場で花火大会も楽しむことができる。

名称 織田信長公岐阜入城・岐阜命名450年記念 第72回 全国花火大会
開催日時 2017年8月5日(土) [予備日]8月26日(土)
主催 岐阜新聞・ぎふチャン
場所 岐阜市長良川河畔(長良橋~金華橋間)

約3万発もの花火が打ち上げられ、祭りの夜空を鮮やかに彩る。
余談だがBitSummitで新川氏とお話した際、このイベントについて、
「30万人の人が集まる花火大会が開かれるから、30万人規模のイベントだよ。」
と仰られていた。

登壇者紹介(敬称略)

新川宗平

新川宗平(にいかわ そうへい)
株式会社日本一ソフトウェア
代表取締役社長
1996年株式会社日本一ソフトウェアに入社。
営業・広報等の業務に携わった後、 1998年発売の『マール王国の人形姫』を皮切りに、様々なタイトルのプロデュースやシナリオを担当し、 2009年に代表取締役社長に就任。
現在も、『魔界戦記ディスガイア』シリーズや、『真 流行り神』シリーズ等のプロデューサーを務める。
(ビットサミット公式より引用)

溝上侑
溝上侑(みぞかみ ゆう)
株式会社日本一ソフトウェア
『夜廻』、『深夜廻』ディレクター
2013年株式会社日本一ソフトウェアに入社。
『htoL#NiQ -ホタルノニッキ -』、『魔界戦記ディスガイア5』、『ロゼと黄昏の古城』などのデザイン業務を担当。
2014年、「日本一企画祭」にて企画が通過し、『夜廻』のディレクター及びデザイナーを務める。
現在、『夜廻』の続編となる『深夜廻』を2017年8月24日の発売に向けて鋭意制作中。
(ビットサミット公式より引用)

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